2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の被災者の方々へ心よりお見舞い申し上げます。
現在も現地では予断を許さない状況が続いておりますが、一日も早く復旧されますようお祈り申し上げます。



子育てを応援するためにできること

コーチングアカデミー諏訪の土橋桂子です。1月の末から2月上旬にかけて長野県主催の子育てセミナーが開催されました。社会全体で子育てを応援するためのリレーセミナーで、全部で4回行われましたが、コーチングアカデミーからは長野校校長の森田舞さんと、私が講師を務めました。

リレーセミナーのアンカーを担当するにあたり私が大切にしたこと(目的)は「さまざまな立場の考え方を知ること」です。なので、自分以外の全てのセミナーに参加しました。

そこで感じたことをコラムにします。

呪いの言葉

第1回のセミナーはプレパパ講座・家庭編。ファザーリング・ジャパン信州の丸山宏尚さんが講師として登場しました。(ちなみにファザーリング・ジャパン信州はインストラクターの福盛二郎さんも所属している信州のパパたちをもっと笑顔に!というスローガンのもと活動しているパパたちの団体です。)そこでは、夫が妻とともに育児をすることの大切さについてデータをもとに分かりやすく伝えてくれました。

その中で印象に残った言葉…「周囲の人たちの何気ない一言で傷つく」というもの。これを聞いて真っ先に頭に浮かんだのが「子どもが小さいのにかわいそう」という言葉。
育児休暇が終わり職場に復帰する女性に対して掛けられがちな言葉です。

「子どもが小さいのにかわいそう」「まだ小さいのにお子さんがかわいそう」など。

世の中の人々がとても無責任に吐く言葉の1つです。

子どもが小さいうちは母親が育児に専念するべきだという考え方に基づくものでしょう。「母親が育児に専念するべき…」一見、確かに良さそうですよね。
でもこの考え方には前提条件があります。

  • 夫の収入だけで家庭の経済が成り立つ
  • 夫は病気にもならず、失業もしない、もちろん突然亡くなることもない
  • そもそも夫婦は離婚しない、万が一離婚しても十分な養育費が夫からもらえる
  • 仮にこれらの前提条件のどれかが崩れたとき、母親だけを中心に育児をしていた、主たる生計の柱をなくした女性に対して「子どもが小さいのにかわいそう」と言った世間の人は何かをしてくれるのでしょうか? そう考えると「専念するべき」とも言い切れないはずです。今の時代、出産育児を理由に女性が仕事を手放すことには、とても大きなリスクが伴うことを祖父母世代も意識したいと思っています。

    ちょっと話が逸れてきたので戻します。「子どもが小さいのにかわいそう」「まだ小さいのにお子さんがかわいそう」など。私はこの類の言葉を絶対に使わないと決めています。これは呪いの言葉だからです。この呪いの言葉をかけられるから、仕事を続ける母親には、薄いベールのような漠然とした後ろめたさが付きまとうのだと私は思っています。

    ポテサラ論争

    2020年に話題になったポテトサラダ論争、聞いたことありますか?SNS上のこんなつぶやきが基になりました。

    「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」の声に驚いて振り向くと、惣菜コーナーで高齢の男性と、幼児連れの女性。男性はサッサと立ち去ったけど、女性は惣菜パックを手にして俯いたまま。私は咄嗟に娘を連れて、女性の目の前でポテトサラダ買った。2パックも買った。大丈夫ですよと念じながら。

    ‘母親なら’‘ポテトサラダくらい’…いろいろ引っかかりますが、俯く女性の気持ちを想像すると何とも言えない感情が渦巻きます。その場にいたら抱きしめてあげたいくらいの想いが生まれるのです。

    この高齢者の男性に聞いてみたい。
    「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」という言葉で、傷つく女性が大勢いることをあなたは知っていますか?

    何が言いたいかというと・・・ポテトサラダを手作りするのは手間がかかるということではありません。人は知らず知らずのうちに自分の価値観やものの見方、もっとそいうとその人の「ふつう」で誰かを傷つけているということ。

    傷つけない理想より傷つけてしまうかもという前提

    良く目にしたり耳にしたりする言葉にこんなものがあります。

  • 誰も傷つけない・・・
  • 一人も置きざりにしない・・・
  • キャッチフレーズなどで目にすることが多いのですが、私自身は何となく違和感を持つ、モヤモヤすることがあります。このような表現は理想に掲げるには良いのですが、日常生活では「誰かを傷つけている」「誰かを置きざりにしている」という前提で暮らしたいと思っています。そう思うことで他人への見方、感じ方が変わってくるような気がするのです。自分の中の常識や「ふつう」は、相手にとっては叶えたい「ふつう」や常識なのかもしれなけれど、どうやっても届かないことなのかもしれません。さらには自分の中の常識や「ふつう」はその人にとっては常識でもなければ「ふつう」ですらないかもしれません。時が変われば、場所が変われば、人が違えば、それぞれに常識や「ふつう」が違います。自分の常識や「ふつう」で正論を掲げた時、それは刃になっている可能性がある、そう一呼吸おいて考えることが、本当の意味で相手を思いやることになるのではないかと私は考えます。

    こーちんぐばぁばおけいさんとして、土橋桂子というひとりの人間として、私は、今回のリレーセミナーに関わる中で、若い世代の応援をしたいという自分の気持ちを、再確認しました。

    不用意な一言で若い世代を傷つけることを減らすよう意識したいものです。

    子育てを応援するためにできることは何ですか?
    あなたの常識や「ふつう」はどんな時に刃になってしまう可能性をはらんでいるでしょうか?

    この記事を書いたインストラクター

    土橋桂子(インストラクター紹介ページへ)

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