認めあう・学びあう「違い」
コーチングアカデミー諏訪の土橋桂子です。皆様は、ゴールデンウィークをどのようにお過ごしですか?コーチングアカデミーのオンライン校では先日、新たに2022年度の平日夜クラスがスタートしました。今回はオンライン校の授業で感じたことをコラムにまとめました。
オンライン校について
コーチングアカデミーのオンライン校は令和元年の9月から正式にスタートしました。
なぜ 「正式」がつくかというと、それ以前に1年以上かけて試験運用をしているからです。この試験運用の目的は、どのようにすれば生徒さんが安心して授業を受けることができるか…を確認するためと、併せてそのためにインストラクターの伝える技術を磨くためでもありました。同じ内容であってもオンラインの授業と生徒さんを目の前にする授業では明らかに伝え方が違うだろうと当初から考えていたためです。準備に時間をかけた自負がありますので、手前味噌ではありますが、コーチングアカデミーのオンライン校のレベルには自信をもっています。
オンライン校の正式スタートから半年余…。日本社会も新型コロナ禍に覆われ、その影響はすでに二年を越えています。このような社会状況の変化にともない、集まりにくいけど(集まりにくいからこそ)コミュニケーションがとりたい、必要だとオンラインの重要性が高まったことは多くの皆さんが認識していることだと思います。
コーチングアカデミーのオンライン校では、平日昼クラスと週末昼クラスを継続的に開催していますが、この春から新しく平日の夜クラスが加わりました。このクラスでは新たな取り組みをしています。それは、Zoomでお届けしている授業を、会場でも受けることができるというものです。会場に来てもよいし、ご自宅や職場などでオンラインでもつないげる、いわゆるオンライン配信を教室からも聞くことができる形式です。(業界用語でハイブリッド型という表現をする場合もあります。)この試みについても夜クラスがスタートする前に、仲間が集まってしっかりテストを行いました。機材のレイアウト設計、必要機材の追加購入、そしてセッティング練習もして授業当日に臨みました。実は一方的に話すだけやZoomだけよりも、聞く話すの双方向性のハードルが上がるのがハイブリッド型で、準備も当日の段取りも難易度があがるため、世の中全般では避けられる傾向が高いのです。では、なぜそうまでして私たちがオンライン配信を教室からも聞くことができる形式にして授業をしたかったのか?
伝えあいの大切さ
コーチングの授業では(セミナーも同じです)、インストラクター (講師) が一方的にお伝えするということはありません。必ずワーク (演習)を行い、ワークによって一人一人が体感することを大切にしています。そして、それと同じように大切にしているのが 伝え合う(シェアする)ということ。ワーク(演習)を通して何を感じたかを伝え合います。ただし「言える範囲でOK」「言いたくないもOK」「答えがでない、何も浮かばないもOK」という原則があります。「今は言える状態にいない」「言いたくない」「答えがでない、何も浮かばない」もその人にとって大切な気づき、発見だからOKなのです。重要なのは今の心の状態を言葉にして伝えることだと私は思います。この伝え合いの中で、話す側は自分の状態を言葉にしていく能力と時に勇気が身に付きます。聞く側にとっては『この人はこう思っているんだなぁ…』と受け止める経験を重ねていくことになります。これをオンラインでも体験できるし、会場でも体験できる、もっといえばオンラインと会場がまじりあった形でも体験をしてもらいたいと思ったのがオンライン配信を教室からも聞くことができる形式を導入した理由の一つです。
「伝え合いの大切さ」ここからは伝え合うことで生まれた私自身の変化です。コーチングを学び始めた頃は、相手の話を聞いたときに(反発や否定的な意味をもつ)『え~っ!』と感じることが度々ありました。コーチングの学びも13年目に入った今は、相手の話を否定的に捉えることはかなり少なくなっています。代わりに増えたのは(新鮮な驚きや発見の意味をもつ)『え~っ♪』です。こうして授業の中で「伝え合う」を重ねていくうちに「あ~、人ってほんとうに一人一人 違うんだなぁ…。」ということを理解し納得していきます。今ではいわゆる『 腹落ちする 』状態を作ることができるようになりました。コーチングを学んで良かったと私が思うことの1つです。
「人は一人一人違う」が腹落ちできてくると人間関係はかなり楽になります。コーチングを学ぶ前だったらきっとマイナスの感情をいだいたであろう人に会っても、『へ~、こういう人もいるんだぁ…』と理解したり、少し俯瞰(ふかん)してとらえることができるようになったりして、その先の怒りや不快という感情までつながらないのです。
オンライン校だからこそ…
先日の授業では「基礎-2 ラポールとペーシング(信頼関係を築く)」をお伝えしました。この単元では信頼関係を築くためにどうすれば良いのか…心の在り方も含めて深めていきます。
当日の参加者は全部で6人。オンライン4人(長野県外3人、海外1人)と会場2人でした。一人一人の環境も経験も立場も違います。県外や海外在住の方が参加するなど、オンラインだからこそ生まれた違いが大きいともいえます。だからこそ同じテーマでワーク(演習)に向き合っても、そこから生まれる感情も違えば感想も違います。参加者全員が自分の答えや感想を伝え、自分以外の方の感想に耳を傾ける…。それを3時間の授業の中で何度も繰り返します。その結果、授業が終わるころには、受講している場所の違いも忘れるくらい温かな心地よさに包まれていたのが印象的でした。授業後に寄せられたアンケートからも、生徒さんがそれぞれの違いを楽しむとともに、その違いから学びを得ている様子を感じることができ、担当インストラクターとしても幸せです。
違いを認めあい、違いから学びあう!オンライン校には、これまで以上にたくさんの人が関わりあうことができる可能性があり、認めあい、学びあう「違い」を体験できる強みがあります。その時間を共有している人が気持ちや考えを語り合うことができるからこそ生まれる、その時だからこその貴重なものだと私は考えています。
- あなたの気持ちや考えを、言葉にして伝えていますか?そのための時間や場所を作っていますか?