心躍る声のかけ方・かけられ方

みなさんは、どんな時にどんな風に声をかけられると嬉しいですか?みなさんの大切な人はどんな時にどんな風に声をかけられると嬉しいか知っていますか?思いがけず喜んでもらえたり、意外とリアクションが薄く「あれ?」っと思ったりしたことは誰もが経験のあることかもしれません。「もしこれが意識的に出来たら?」そんなきっかけになればと思ってのコラムです。

言われてうれしい言葉が違うこと

『言われて嬉しい言葉 3つ書いてみましょう』
こんな問いかけからはじまった、2018年「サンキューの日(3月9日)」開催のセミナーテーマは「エンパワーメント」でした。
エンパワーメントとはなにか?
私はセミナーの中では「人を勇気づけたり元気になったり、人が本来持っているパワーを湧き出させること」と説明しています。

たとえば、別のコラムであった「褒める(ほめるのが苦手なあなたへ)」というのも、エンパワーメントの一つだと思います。平昌オリンピックでカーリング女子チームが良くいっていた「そだね~♪」も、お互いを理解しあうことでメンバーを勇気づけ、練習以上の力を出させていくという意味ではエンパワーメントの一つの方法かもしれません。

さて、話を戻しますが、セミナー冒頭の問いかけ『言われて嬉しい言葉』を3つ書いてもらいました。3人1組のグループになって、どんな言葉が嬉しいか?を紙に書いて見せあうのですが、グループ全員「言われて嬉しい言葉」が「完全一致」のグループは一つも無いんです!

と聞くと、「そんなの当たり前じゃん!」って思うかもしれませんね。

・・・そうなんです・・・当たり前なんです!『言われて嬉しい言葉』は、一人ひとり違うんです!

そのうえで、想像してみてください・・・。
誰かを「励ましたい」、「元気づけたい」、「褒めたい」、「認めてあげたい」・・・というエンパワーメントしたいシーンであなたが言っている言葉は、「相手が言われて嬉しい(エンパワーメントされる)言葉」でしょうか?それとも「自分が言われて嬉しい言葉」を「自分が言われて嬉しいタイミング」で伝えている・・・かもしれませんね。(かくいう私は、コーチングを学ぶ前は、まさに自分が良いと思う方法だけでエンパワメントしていました。会社でもプライベートでも)

その言葉が運んできてくれるもの

『その言葉を言われると、どんな気持ちになりますか?』
さらに、そのセミナーでは、先に書いた3つの「言われて嬉しい言葉」をお互いに伝えあうという実践(グループワーク)を行いました。
そして、次にこのしつもんです。

「言われてどんな気持ちになった?」

「え~当然うれしいでしょ?」と思う人もいるかもしれません。「言われると、結構恥ずかしかった」と感じる人もいるかもしれません。「言われて嬉しいんだけど、つい『そんなことないですよ。だってこれ○○ですよ』って否定したくなっちゃう」ことに気付く人もいるかもしれません。

セミナーのご感想からも、こんな言葉がありました。(公開OKいただいているご感想です。)
「褒めること、褒められて素直に受け取ることが、とても難しいことだと、初めて知りました」「自分が言われて嬉しい言葉を考えるの難しかったですが、いろいろと話しているうちにたくさんの発見がありました」

そうなんです・・・言われて嬉しい言葉を言われているはずなのに・・・。素直に受け取れる場合もあるし、受け取ることが難しいこともあるんです!これはどうしてでしょうか?

「ほめてほしいポイント」傾向と対策

言われて嬉しい言葉を言われているはずなのに・・・。素直に受け取れる場合もあるし、受け取ることが難しいことがあるのはなぜか?

答えは、「エンパワーメントもタイプ別の傾向と対策がある。」ということです。

セミナーを通じて一つ一つ、体感してみると「人は一人ひとり違って当たり前」と感じられることなのに、なぜ日常ではみおとしてしまうのでしょうか?私たちはつい、実際に誰かと話をするときは「自分と同じであってほしい」「自分と同じはずだ」というあり得ない願望から「普通こうでしょ?」「これって当たり前でしょ」っと、それこそ「当り前のように」思っている、気が付かないうちに押し付けているってことはありませんか?実はこれが、「コミュニケーショントラブルの元(もと)!」だったりします。

たとえば、コーチングアカデミーでは大きく3つのタイプに分けて「褒めてほしいポイント」を考える方法を伝えています。

  • 努力型
  • 結果型
  • こだわり型

具体的に考えてみましょう。「試験勉強や何かに挑戦をするとき、みなさんはどんなところでどんな言葉をかけられると、嬉しい気持ちになったりやる気がアップしますか?」

『努力型』

「いつも遅くまで勉強がんばってるね」や「毎日よくやってるね」というように、試験勉強の過程やがんばっている様子、つまり努力に注目して声を掛けてもらうと嬉しいタイプです。セミナーの中では「ずーっとその過程を見守ってもらってる気がする声掛け」が嬉しい!という声もありました。

『結果型』

反対に、努力の過程をいくら褒められても結果が結び付かないと嬉しくないタイプの人もいます。努力はプロセスであり、ほめてほしいポイントではないというわけです。極端に言うと、棚から牡丹餅(ぼたもち)の状態でも、運も実力のうち、望む結果が手に入ればOK!というタイプです。セミナーの中では「とにかく結果が出たところで褒めてほしい(途中にがんばってると言われても「ほかの人も頑張ってるし~としか思えない)」という声もありました。

『こだわり型』

さらに、努力した過程でもなく、結果でもなく、「自分のこだわったポイントを認めてほしい」というのが『こだわり型』です。セミナー中では「その結果を得るために、どこを工夫しこだわったのかを理解してもらえると、ものすごくうれしい(なかなか分かってもらえないので)」という声がありました。

一人ひとり違うからできること

これは実際にあった体験談なのですが、努力型の親御さんが、結果型のお子さんの受験勉強の際、毎日毎日「がんばってるね~」と声をかけていたら「まだ結果出てないのに『がんばってるね~』っていうのやめて!お母さんは私のこと、バカにしているの?」と怒られた…なんてエピソードも飛び出しました。まさに、これはほめてほしい、認めてほしいポイントが、自分と相手でずれていた(ことに気付いていなかった)からこその、コミュニケーショントラブルですね。

あなたは、「努力型」「結果型」「こだわり型」だったら、どれが一番近いと思いますか?そして、あなたの大切な人は、どうでしょうか?
残念ながら型(タイプ)は顔に書いてあるわけではありませんし、聞いてもまず答えは返ってこないと思います。まずはその人をよく見て試してみてください。安心してください。なんか違うなと思っても相手のことを思っていれば、あなたが相手をエンパワーメントしようとしてくれていることは伝わります。

私は、エンパワーメントに限らず「人は一人ひとり違う」ということを、コーチングアカデミーの様々な授業の中で、学び心の底から体感し、しっかりと腑に落ちたことで、コミュニケーションがとても楽になりました。そして、自分自身も相手も、しっかり観ることで、それぞれにあったコミュニケーションを取りやすくなったと感じています。この日のセミナーにご参加いただいた方からも「タイプ別があることがわかり、相手のことを良く観察したいと思いました」というご感想もいただきました。こんな風に、日常でコーチングを活かしたコミュニケーションができることで、人間関係が楽になったら・・・いいなぁっと私は心から感じています。

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この記事を書いたインストラクター

鈴木優子(オンライン校インストラクター紹介ページへ)