この度の災害において被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧をお祈りいたします。私自身は無事でしたが近しい友人は大きな被害にあい、今も復旧に向けて平日の仕事終わり、休日をすべて使って泥の書き出しや家屋の修理、整理をしています。改めて自然の恐ろしさを痛感させられます。今私にできる事として目に見えるサポートや間接的な支援まで出来る限りのサポートを続けていこうと思います。
働き方改革にコーチング! vol.2
大中小、規模・業種を問わず様々な企業で働き方改革の取り組みが動き出しています。皆さんの周りでは何か変化はありますでしょうか?
わたし、福盛二郎はコーチングアカデミーのインストラクターとあわせて、企業へ働き方改革を導入・サポートを実施するワークライフバランスコンサルタントもやっております。働き方改革を企業に取り入れていくにあたって、コーチングアカデミーのコーチングの考え方はとても効果的です。働き方改革にコーチングと題してコラムを数回に分けてお伝えしたいと思います。今回はそれの2回目。
働き方改革にワクワクを
Vol1でも書きましたが、働き方改革は企業にも個人にも働き方の自由度を高めて行くための努力や改善が日々必要になってきます。人によっては今までのほうが良かったと思う人も出てくるのかなと思います。また、限られた時間の中でやり切るということは大切なものの、生産性向上!効率化!と追い立てられているようで窮屈かもしれません。「人がいないから、女性を活用するぞ!高齢者ももっと働いてもらおう!」こんな風にメッセージが届いていたとしたら「働き方改革」ってワクワクしないですよね!ワクワクする働き方改革を一緒に進めていきましょう。
私の立場?彼・彼女の立場?
今お手元にメモをとれるものがあれば、書き出してみてください。
- 今あなたが持っている立場にはどんなものがありますか?
さて、どんなものが思い浮かんだでしょうか?例えば私であれば、父、夫、子ども(親から私を見たときの)、弟、上司、部下、仕事仲間、お客様、仕事上のパートナー、パパサークルの一員、浜松生まれの人、長野県に住んでいる人、もとシステムエンジニア、信州大学の卒業生、ワークライフバランスのコンサルタント、研修講師、もちろんコーチやコーチングのインストラクターも立場です。おそらくもっともっと立場はあります。私たちは様々な立場を同時並行しながら人生を生きています。私たちが憧れる人の一つのケースに、「●●なのに●●もしていてすごい!」みたいなものがあります。例えば、「お仕事とっても忙しいのに、家事育児もきっちりやっていてすごい!」とか、「子育ても楽しみながらやっているのに、自分の趣味の時間もきちんと作れていてすごい!」とかです。
このことからも見えてくるように、私たちは自分の持ついくつもの役割を果たしている人を見ると人生が充実している、上手に生きていると感じることがあるという事です。裏返すとそれをするのは結構難しいと感じているとも言えます。
仕事もしながらXXXもしながらというのが難しいというのがこれまでの日本の実情なのではないかと思います。だから日本のお父さんはお仕事ばっかりで家のことをやらないといわれたり、お母さんは仕事もしながら家事育児もするなんて大変なんていう言葉が町中にはあふれていました。実際の大変さに加えて、大変になると私たちは今費やしている時間の主な役割に没頭します。そしてそれ以外の自分の持っている役割を忘れてしまったり、うっかり手放したりします。そしてそれが後々後悔につながってしまうのです。
だからこそ考えてほしいのがこの「立場」という考え方です。コーチングアカデミーでもこの「立場」という考え方をとても大切にしています。私たちは立場を忘れてしまうことはあっても今持っている自分の立場を簡単には捨てることができません。捨てられないそのさまざまな立場を同時進行でまるで編み合わせるように生きていくことこそが人生の充実度・満足度を高めることにつながるのです。
働き方改革でコーチングでも大事にしているこの立場がなぜ必要かというと、立場が私にもあるように、一緒に働く仲間にもあるからなんです。
- あなたの職場の同僚はどんな立場を持っていますか?
- あなたは同僚の働き手としての立場とそれ以外の立場の両方を大切にしていますか?
立場がくれる視点・生まれる変革
働き方改革や、ワークライフバランスがが語られるとき時間や場所の垣根を取り払った形での新しい働き方に焦点が当たります。それだけ時間と場所が働くこととそれ以外の両立を阻んでいるという事なんだと思いますが、では何でもかんでも職場に入れればいいのでしょうか?答えは「No!」です。それをしたら職場は崩壊します。従業員と経営層がぶつかり結果的に働きづらい会社が出来上がります。仮に制度は残っても使える(使っていいと思える)人がいなくなります。今働き方改革の弊害として起こってきているのがこの状況です。
職場はさまざまな立場を持った人が入り混じっている環境です。様々な立場によって働くとの両立を阻む問題は異なります。立場が分かれば環境が見えてきます。環境が見えれば問題が見えてきます。見えてきた問題を解決していくために新しい制度や考え方が生まれてきます。問題が解決されて初めて問題を抱えていた人の満足度があがり、職場への居心地感があがります。居心地感が上がると人はそこを大切にしていきます。自分の立場に加えて相手の立場も知りそれを大切にしていく、それが職場・会社での成果につながるのです。
自分にある様々な立場を理解すること、職場で働く仲間の様々な立場を理解し、それらの解決策を考え実施していくこと、これこそが働き方改革に必要な視点です。「立場」が視点をくれ、視点により問題が見え解決策がうたれ、変革が生まれるのです。そう考えると自分や相手の働き手以外の立場をきちんと知ることがいかに大切かわかります。このような形で働き方の仕組みが作られて生まれてくる改革をプロセスイノベーションといったりもします。(プロセスイノベーションはもう少し広い意味でも使われますがここでは割愛しますね)
また立場を理解することでそれが仕事に返ってくることもあります。仕事以外の立場や視点が新たな製品やサービスの種になるのです。例えば、カルビーさんの出しているフルグラやキリンさんの出しているオールフリーなどは、「仕事をする人」 X 「女性」の視点が創り出しています。アウトドアが好きな方は知っているかと思いますが、スノーピークさんの商品の多くは「仕事をする人」 X「余暇(アウトドア)を楽しむ人」の視点により創り出されています。視点がかけ合わさることで生まれたヒット商品が世の中には数多くあります。私たちの身近に便利なサービスが増えているのも「仕事をする人」X「●●●」によって生み出されているものがほとんどです。これをプロダクトイノベーションといい、多角化する価値観の世の中で企業の成長にはいまや必須といわれています。
立場を知ることがメリットであること、見えてきたでしょうか?働き方改革の歩みがワクワクしてきたでしょうか?
強くしなやかな職場のために
私たちの人生の時間はどんなことに使われているでしょうか?それぞれの立場に使っている時間の割合はどのぐらいでその立場における今のあなたの満足度は100点満点で何点ぐらいですか?働く時間は60%近いのに満足度は50点だとしたら、人生の満足度が低いのは当たり前ですよね。また本来もっと時間をかけたいと思っているところに時間がかけられていなければこれも人生の満足度を高められない結果になります。仕事の時間をちょうどよい状態にして、仕事での満足度を高める、そしてこれまで使えなかった別の立場に時間をしっかりかけてそちらの満足度を高める。これはとても難しいことです。難しいけれどこれができれば自分も一緒に働く仲間も人生の満足度があがることは疑いようがありません。それぞれの立場を理解するところを一歩目として、理解したからこそできる今の仕事のやり方の改善を職場で進めていく、これが職場の雰囲気を一気に盛り上げ、安心感を高め働きやすい職場を作ることに繋げます。
このような職場は様々なトラブルにも強く、竹のようにしなやかに対応することができます。強くしなやかな職場のために「立場」を出してみるところから始めてみませんか?
このような「問い」を立てられるようになる力や考え方もコーチングアカデミーではお伝えし授業の中でも演習もしています。ご興味を持っていただけたのであれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。