初節句に想う、『人生のハンドルを握るということ』

私には三人の孫がいます。みんな男の子。少し遅くなりましたが、5月半ばに三番目の孫の初節句をお祝いしました。そこで今回は初節句にあらためて自分を振り返って感じたこと、息子や孫たちに想うこと願うことをコラムにしました。

「初めて」と「不安」、ついやってしまうこと

私は二人の男の子を育ててきた母親です。三人の孫は長男の子どもたちです。私にとって第一子である長男の子育ては、1から10まで初めての体験で、すべてが未知との遭遇でした。オムツを替えたり、おっぱいをあげたりとやらなければならない事に追われてばかりで、『かわいい!』と思う感情を味わう余裕はあまりありませんでした。今思うと必死でした。もしかしたらこのコラムを読んでいる方の中にもまさにその渦中の方もいらっしゃるかもしれませんね。

それは長男が成長しても続きます。初めての保育園、初めての小学校、初めての中学校、初めての受験、初めての高校、初めての大学、初めての就職。長男の子育てにはいつも“初めての”がついています。私の場合、“初めての”にはもれなく“不安”もついていました。だから、長男のすることに口を出し、手を出し、足りなければ足を出すくらいの関わり方をしてきたのです。

50代の半ば、私はコーチングアカデミーに出会いました。コーチングアカデミーで「マスターコーチング」を学び始めた私が最初に衝撃を受けた言葉があります。

『マスターコーチングとは人生の主人公になるためのコーチング。人生の主人公になるとは、自分の人生のハンドルは自分で握るということ。言いかえれば、他人の人生のハンドルに手をかけないということ。』

何が言いたいかというと・・・私は、コーチングと出会って、私自身が長男の人生のハンドルをしっかりと握っていたことに気づいたのです。

  • 母親に人生のハンドルを握られた子どもはどうなったと思いますか?

我が家の場合ですが、あまり自分の考えを言わない子に育っていきました。そして私はそんな息子に対し物足りなさを感じていたのです。でも息子がそうなった要因が自分にあるということも分かりました。息子が自分の考えを言っても、母親である私に言い負かされて通らないことの方が多かったんですから無理もありません。『息子よ、本当に申し訳ない!』心から謝りました。

孫に対しての想い・かかわり

『三人目ができたよ!』一年ほど前に息子夫婦からそう告げられました。長男夫婦が帰ったあとの夫婦の会話です。

夫   :『三人となると学費がたいへんだなぁ…』
妻(私):『いいのよ。大学なんて本当に勉強したい人が行けばいいんだから…』

息子二人は四年制の大学を出ています。その学費を捻出してきた夫ならではの発言です。マスターコーチングを学んでいなければ、私も真っ先にそのことを心配したと思いますが、
私はマスターコーチングを学んでいるのです。

『本人が本当にやりたいことがあるのなら、高校に行かなくてもいいと私は思ってるよ。』
とさらに続けました。この言葉がすっと出た自分に少しびっくりしたくらいです。

私が孫たちに自慢できること、
『ばぁばは、マスターコーチングを学んでいるんだよ』ということです。それによって彼らが、自分の人生のハンドルを自分で握れるようにサポートすることができるんですから。彼らがこれからどのような人生を歩んでいくのか本当に楽しみです。

学びがくれた幸せ

初めての子育てでは「不安」だったことが、孫との間では「楽しみ」という気持ちで向き合っていけること、サポートしようと思えること、改めて人って変われるのだなぁと思います。もう一度書きますが、私がコーチングアカデミーに出会ったのは50代半ばのことです。

  • 『もっと早く学びたかったぁ…』とものすごく後悔しました。

それは事実です。でも

  • 『本当に学んで良かった!』と思っているのも事実です。

私がマスターコーチングを学んでから、私の周りにいろいろなことが起こります。長男は結婚をしたり家を建てたりしています。おかげで“初めての”孫をはじめ、三人の孫に出会うことができ本当に「幸せ」です。コーチングを学ばなくても結婚したり、家を建てたり、孫と出会えていたりしたかもしれません。大切なことは息子はじめほかの人の人生のハンドルを私が握らなくなったことで、それらが起こったことを長男やほかの人が自分の人生のハンドルを握った結果として「幸せ」と思えることだと思います。

  • もしも私がマスターコーチングを学んでいなかったとしたら…。
  • 長男の人生のハンドルを手放していなかったとしたら…。
  • 私は、長男夫婦にどのような関わり方をしていたのだろう・・・。

過干渉のうるさい姑になっていた可能性大です。想像するだけでゾッとします。

今の幸せはコーチングを学んだからこそ手にすることができました。本当にマスターコーチングを学んで良かった!そんなことをあらためて感じながらの初節句お祝いになりました。

この記事を書いたインストラクター

土橋桂子(インストラクター紹介ページへ)