「聞き方」で変わる関係性

コミュニケーションは「聞く」と「話す」の積み重ね

普段は、必要なこと以外あまり連絡をしてこない夫が、出張へ行った帰り道、LINEでメッセージを送ってきました。珍しいなと思い、家に帰って来てから、「なにかあったの?」と、聞いたところ、「新幹線の中で、同僚と話をしたんだけど、酔っていて、聞いているのかいないのか。あまり反応がなかったから。」と。どうやら、同僚と話をして帰ってきたのですが、反応が薄く、自分が話したいことが相手に伝わっていない感じがして、悶々とした気持ちになっていたようでした。なので、夫に初めから話をしてもらいました。夫は、話をして、スッキリしたようでした。

多くの場合、人は自分が話すことについて、相手に「聞いて」もらい、共感してほしいと思っています。そのため、聞いてもらったと感じられないと、わかってもらえなかったという気持ちになります。わかってもらえないという気持ちは相手との関係性に距離を作ってしまいます。

パートナーや仕事の仲間とのコミュニケーションは、日常の会話の積み重ね。「聞く」「共感」「話す」これの繰り返し。話している内容や話し方以上にこの繰り返しがうまくできると、安心感が生まれ、信頼関係が築けます。逆にこれがうまくできないと、不信感が生まれ、ギクシャクした関係になってしまいます。

特に、知り合ったばかりの時は、この「聞く」と「話す」を相手に8:2の割合で行うと信頼関係が築きやすいといわれています。それほど、「聞く」は、会話の中でも、信頼関係を築く上でも、大事な役割を果たしています。では、会話の中で、どんな聞き方をしたら、よいのでしょうか?

聞き方には、3つある

「相手の話を聞きましょう。」私たちは小さなころからよく言われてきました。親や学校の先生からは「話を聞きなさい」、恋人からは「ねぇ?聞いてる?」。それだけ聞くことは難しい。わかっているけどなかなかできませんね。仮に聞くことに専念する毎日をただがむしゃらにつつけて、相手のいうことばかりを聞き続けていたら、疲れてしまいます。
聞き方にも考え方ややり方があるということをコーチングアカデミーでは、3つの聞き方に分けて学びます。授業で伝えさせていただくことをちょっとだけ・・・。

耳で聞く

相手に語ってもらうため、必要以上に受け止めず、耳に入れていく感じです。相手が、自問自答しているようなときや、愚痴、ただ聞いてもらいたい時などに、有効です。上手にやらないと聞いてもらえてない感じがしますので結構難しいです。

頭で聞く

判断しながら、聞くことです。実は私たちの生活やビジネスシーンではこの聞き方が多いかもしれません(特に男性は)。私たちは普段自分の中の常識や、価値観をもとに聞いています。相手が話したことに対して、「その時は、こんな風にすればいいよ。」とアドバイスしたりする場合もあります。あなたの意見を求めている時には良いのですが、ただ単に話を聞いてほしいだけの時は、相手を不快な気分にさせてしまうこともありますので、注意が必要です。相手は「聞いて?」と言っているのでしょうか?「あなたの意見を聞かせて?」と言っているのでしょうか?

心で聴く

相手に心を寄せて、相手の立場に立って聞くことです。自分にとっては「違うな」ということも、否定せずに聞いて、相手が感じたことをそのまま受けとめる聞き方です。相手がしっかり話を聞いてもらいたいというときは、この聞き方で聞いてみましょう。でも、耳で聞いてほしい時、頭で聞いてほしい時にはもしかしたら重たいとか、あなたの意見が聞きたかったなど相手の想いに答えられないこともあるかもしれませんね。

聞き方は上手くなる

聞き方に、良いも悪いもありません。相手が、どんな風に思って話をしているのか、または、相手の状況などを考え、この3つの聞き方を使い分けてみましょう。生まれながらに聞き上手な人もいますが、大丈夫。聞き方はトレーニングで上手にすることもできます。
聞き上手は、相手に満足感を与えます。聞き方が上手になっていけば、大切にしたい人との関係を更に深めることができるようになります。

コーチングアカデミー長野事務局  小宮山聖美