「私が相手にしてあげたかったことは?」という問いかけ

少し遅くなってしまいましたが(このコラムの掲載は1月なので。)「子どもの(親から見たら)理不尽なリクエストにどうやってこたえるのか?」
そんな問いのヒントになるコラムです。

皆さんもお子さんと接しているときに、
「こんなにしてあげたのに!」
とか
「またわがまま言って!」
とか苛立ちを覚えたことはありませんか?

子どもの言動にキレたことありませんか?

私の息子は小さな頃から某機関車のアニメが大好き。誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントはもちろん機関車の仲間。そんな息子に朗報が!3年ほど前からその機関車が実際に走っているのです!母としてはぜひ乗せてあげたい!という思いから、何度も抽選に応募しては機関車に会いに行きました。今年はその集大成として、クリスマス期間に特別運行されるチケットを求め、抽選に応募。そしてなんとかチケットをゲットしました。昨年から「クリスマス号に乗りたい」と言っていた息子。1 年越しの願いを叶えてあげられる☆彡

そんな思いでいた乗車日の 1 週間前。
息子が
「ねぇ、今週の日曜日○○君の家に遊びに行ってもいい?」
とたずねてきたのです。日曜日は機関車の日なのに…。

  • 私: 「日曜日は機関車に乗りに行く日でしょ。」
  • 息子:「えぇー、遊びに行きたいんだけど」
  • 私: 「機関車、乗りに行かないの?」
  • 息子:「…もう飽きた」
  • 私: 「…(カッッッッチーーーーーーーン!!)」
  • 「ふざけるなー!誰のために苦労してチケット取ったと思ってるんだー?」と、心は叫んでいました(笑)。だって、息子のために何度も抽選に応募してきたんですよ。夫にもお休みを取ってもらい、妹も体調が悪くならないよう気を付けて準備万端なのに、飽きたって…思わず頭に血が上ってしまいました。
    <(_ _*)>
    でもここで一旦冷静に。「私がしてあげたいことはなんだろう?」。
    そう「息子を喜ばせる」ことです。もしこの瞬間にキレたら、息子は喜んでくれるでしょうか?

    「私が相手にしてあげたかったことはなんだろう?」
    この問いは強力です。私たちは何かをしてあげたいと思います。それが大切な人であればなおさら。
    大切な人を喜ばせようと努力をしたり労力を費やしたりするとそこにかけたエネルギー分喜んでほしいと思ってしまいます。
    でも、喜ぶという権利は相手のものですよね。
    自分がしたことで相手が喜ぶのではなく、相手が喜ぶことのために自分が行動をすることが大切です。
    想いが強い分、順番がひっくり返ってしまいがちです。それが怒りとなり行動につながってなってしまってはもともこもありません。

    特に子供のリクエストは日々変わります。子供たちはどうしても目の前の楽しいことに目を奪われがちです。その時に優先度の下がったことをどうしてもつたない言葉で、「飽きた」「つまんない」とかいって跳ね返してきがちです。彼らはまだ言葉が少ない、自分の感じていることを丁寧に相手に伝える術を持っていないことを忘れないでください。
    「私が相手にしてあげたかったことはなんだろう?」
    この一つの問で少しだけ、もうひとりの自分が自分を高いところからのぞいて、ちょっとだけ冷静になる時間をくれます。

    【ありのままの気持ちを伝え合いませんか?】
    「ふざけるなー!」は心の中で留めて、私はそれから乗車前日まで、息子の言い分を聞き続けました。どうやら息子がお友だちの家に行きたい理由は、某ヒーローの変身ベルトで遊ばせてもらいたいからだと判明。それならば、と私も自分の気持ちを伝えました。
    「どうしてもその日に遊びに行かないといけないの?」
    「お母さんは○○のためにチケットを買ったんだよ。お父さんもお休みを取ってくれて、妹も楽しみにしているよ。」
    と。

    日曜日、みんなで機関車に会いに行ってきました。その日の夜、「もうちょっと乗りたかったな。あのおもちゃが欲しかったな。」とつぶやく息子。息子なりに遠慮していたようです。「欲しい!」とその場でせがまれたとしてもそれはそれ。買いませんでしたが(^^;)。
    その代わりに、クリスマスにサンタさんがヒーローの変身ベルトを届けてくれたことでしょう。

    MerryChristmas!
    良いお年を。
    そしてHappyNewYear!

    この記事を書いたインストラクター

    赤羽 未来子(インストラクター紹介ページへ)