父親が「プリ●ュア」を見る理由

二児の父である私が実践している子育てだけではなく、実はビジネスの人材育成にも役立つコラムです。

子どもと一緒に見ています。

毎週ですが、4歳の娘とプ●キュアを見ています。今シリーズはスイーツがテーマのようですね。
スイーツ大好きな女の子が、プ●キュアに変身して仲間と一緒に戦うというざっくりいうとそんな感じなのですが。(ざっくりしすぎですね)
お子さんをお持ちの方は子どもとアニメを見る時間はありますか?
その時どんなことを考えていますか?

自分自身が子どものころ、親や他のおとなの方はみなさんとどんな距離でかかわってきてくれたでしょうか?「マンガなんか読んでないで!」「ゲームばっかりやっていると・・・」のような叱られ方をした方も少なくないのではないでしょうか?私自身子育ておけるマンガやゲームに関して、マンガやゲームの擁護派でもなければ、反対派でもありません。個人的にはマンガもゲームも好きですし。良い塩梅(あんばい)で利用すれば、感性も豊かになり、視野も広がると思いますし、そこを間違えればきっとそのほかのことに支障が出るのだと思っています。とはいえこれだけ選択肢があふれていますので見せないやらせないというのはかなり難しいのかなとも思います。

私が子どもと一緒にプ●キュアを見るのには理由があります。
↓子供の塗り絵です。

「共感」の始まりは?

それは「共感力」と関係があります。
「これからの社会には共感力が必要だ。」と言われています。「共感」という言葉はよく目にし、耳にするようになりました。
ですが、
共感ってどんなことか考えたことありますか?
どうしたら共感できているといえますか?
どうされたら共感してもらえたと思いますか?
「共感」の始まりは相手を知ることだと私は思っています。『相手がどんなことに興味を持っていて、何を楽しい(悲しい)と思っているのだろう。』
そんなことを考えながら、相手が楽しい(悲しい)と思っている世界を一緒に見ることが第一歩です。
私自身、プ●キュアが楽しいかと言われると、まぁ普通です。個人的にはガ●ダムのほうが好きです。
でもプ●キュアを見て楽しそうにしている、プ●キュアになりきってテレビの前に食らいついて見ている娘をみるのは好きです。今日の話をここがこうだった、あれはああだったと伝えてくれる時間が楽しいです。

「この子の目線の先にはどんな世界が広がっているのだろう。」
「どんな思いでみているのだろう」
そんなことを考えながら一緒に見ることで、今の子どもの状態が少しずつ分かってきます。

「マンガなんか読んでないで!」「ゲームばっかりやっていると・・・」と言われたことのある方は少し思い出してみてください。少なからず残念な気持ちになり、その時親にもマンガを読んでもらいたかったり、ゲームをやって面白さを理解してほしかったりと思いませんでしたか?その理由はなんでしょう?自分が今楽しいということをわかってもらいたかったのにそれをしてもらえなかったからではないでしょうか?

「相手の気持ちになって考えなさい。」と言われることがあります。そんな時、まずは相手の気持ちに近づくために相手の世界をのぞきに行ってみてください。そこにはすごくたくさんの想いや情報が詰まっています。
相手のそれに興味を持ってみてください。自分に興味関心を寄せてもらうことがうれしい人は多いです。相手もあなたのことを知りたいと思いたくさんの事を話してくれるようになります。自分の考えや伝えたいことも伝えやすい関係が作られます。

『あなたの大切にしたい人がどんなことに興味があるのかあなたは知っていますか?
 どんなことを楽しいと思い、どんなことが悲しいと思うか知っていますか?』

「だから○○は」で終わらせない

実はこれは、ビジネスの世界でも同じです。人材育成でもお客様との関係でも。
自分の中の正しいこと、自分の中の楽しいものを人に伝えたい、共有したいと思います。特に大切にしたい人であればなおさら。
美味しいものを食べた時に「ねぇ、これ美味しいから食べてみてよ?」となるのが典型的なシチュエーションですね。

だからこそ、逆に自分の中の正しいが受け入れられなかったとき私たちはどうなってしまいがちでしょうか?
「だから最近の若い人は・・・」
「だから女性は・・・」
「だから文系は・・・」
「だから○○は・・・」
私たちは自分たちの価値観を受け入れてくれない場面に出くわすとこういったことをこんな感じで言って片付けてしまいがちです。

でも、少しだけ立ち止まってください。
その時、あなたは相手の世界をのぞきにいってみましたか?あなたが良いと思ったものを相手に勧めた時、相手にはどんな世界が見えていましたか?その世界やその考え方が正しいか間違っているか、それを判断するのは後にしましょう。まずは見に行きましょう。
あなたの中の「正しい」はその時の相手の「正しい」なのでしょうか?また相手にあなたの「正しい」を受け入れる準備・十分な情報提供や関係性はできていたでしょうか?
「正しい」だけではなく「楽しい」でも「悲しい」でも「怒れた」でも同じです。

「だから○○は・・・」で終わらせてしまうの簡単です。
受け入れられない時どうしても自分とは違う部類という形で安易に分けてしまい、相手のことを理解するのをやめてしまいます。相手が大切にしたいことがわかれば、それを大切にしながらあなたの中の「正しい」を伝える方法を探しに行けばよいだけです。自分の持っている価値観を大切にすることと相手の持っている価値観を大切にすることは相反しません。

逆にたまたま価値観のあった人をこの人は「良い人」としてしまうのも安易です。
そうしないと価値観がすれ違ったときに勝手に

  • 「裏切られた」
  • とか、

  • 「あの人は変わってしまった」
  • とか思ってしまいます。本当ですか?

    何が同じで何が違うのか少しだけ時間を使ってみるだけでより深く広い関係性が作れます。
    自分の持っている価値観を大切にすることと相手の持っている価値観を大切にすることは相反しません。

    サーバント型リーダーシップ

    多様性を認めていこう社会が進んでいく中で、求められるリーダー像が変わってきています。
    「黙って俺についてこい」「俺の背中を見て育て」といったカリスマ型のリーダーから、仲間の意図をくみ取りながら
    一緒の問題解決をしていく、その手前の課題を一緒に探していくといった、奉仕型のリーダーシップ、(サーバント型リーダーシップというそうです。)が求めらて来ているようです。
    仲間に共感し、想いをくみ取りサポートするリーダーへの成長は、いろいろな場面で活躍の場が想定されます。
    もしかしたら、プリ●ュアを見ることがサーバント型リーダーへの第一歩かもしれませんね。

    この記事を書いたインストラクター

    福盛二郎(インストラクター紹介ページへ)